蔵書印のこと

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先祖伝来の蔵書印を譲り受けた、というと何とも大げさに聞こえるが、写真は私が生まれる前に亡くなった祖父が使っていたという蔵書印。

北海道にあった祖父母の家の蔵書はすべて処分してしまったとのことだが、具体的な処分方法を聞いていないため、果たして、古本屋に売られたのか、ゴミとして捨てられてしまったのか、この蔵書印が押された祖父の蔵書がこの世に存在しているか否かは定かではない。

蔵書印か蔵書票が欲しいと思って、いろいろと調べ始めたのは、もう5年ほど前のこと。せっかく作るのであれば、オリジナルのものを……と思い、様々な意匠を考えていたが、決めきれずにいた。実家を訪れた折に、思いがけず父から受け取ったこの蔵書印を気に入っている。

市販されている一般的な朱肉を使うのもためらわれたので、やはり本格的な印には本格的な朱肉がよいだろうと、練朱肉(印泥とも言うらしい)というものを購入した。今後も手放す予定のない特に気に入った良書に絞って、蔵書印を押していく。これが、なんとも楽しい。

蔵書印はなぜこんなにも魅力的なのだろう。

蔵書印を押すことは、蔵書に対する所有権をはっきりと刻み付けることだ。本を所有しているということに幸福を感じる愛書家にとっては、蔵書印は、その所有欲をより満たすための手段なのかもしれない。

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慣れるまではなかなかうまく押せずに苦労したが、初めて押した際の印影がこの写真。書籍は、平凡社ライブラリーの某面白本。初めて押したにしては、よく押せてるのではないか、と思う。擦れてしまったのも、ご愛嬌ではないか。