「銭」の作者が実践したみせたKDPビジネス

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鈴木みそと言えば、その著作「銭」の中で、世の中の裏側を「お金」の観点から描いていたが、ゲームセンターや声優、カフェ、ペット業界などを扱うだけでなく、作者自身のテリトリーであろうマンガ業界に切り込んでいたのが実に興味深かった。

特に、一般的な商業作家に比べて、同人作家がいかに恵まれているかを解き明かしたくだりは、必見だ。その内容は、「銭 2巻(鈴木みそ)にあるので、是非、皆様の目で確かめて欲しい。(ここで「恵まれてる」と言っているのは、ページ辺りの収益の話である)

商業作家がコミケに出店して話題になったのは数年前の話であり、昨今の事情は知らないが、「銭」で述べられたこの収益計算式によると、なるほど、特に制約などがない限りは、商業誌で名を売った後は、同人活動にシフトするのが正しい選択に見える。

異色のマーケティング本「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」において、このバンドがいかにしてファンとのコミュニケーションをはかり、その結果として、利益をあげてきたかが述べられていたが、商業誌にいながらにして、同人活動をおこなうマンガ家の動き方が、これに被る。自身のブログやファンサイトを立ち上げ、リピーターを育て、そこを窓口にコンテンツを提供していくのが次の姿だろう。

さて。冒頭に紹介した鈴木みそ氏であるが、この年初だったかと思うが、著作「限界集落(ギリギリ)温泉」を自身の手で電子書籍化し、これがAmazonのKindle本ランキングで一時期上位を占めた。まだ、電子書籍が広まっていない時期であったとはいっても、これはスゴい話だ。

作家の収益(正確には労働単価)という点では、「同人誌>商業誌」であることが「銭」で述べられていたが、おそらく、ここに電子書籍を加えると「Kindle本>同人誌>商業誌」という感じになるのではないか。

鈴木みそ氏は、コミック作家の新しいビジネスモデルの先駆者と言ってもよいと思う。当ブログは、電子書籍と鈴木みそ氏を応援している。