指す将でも観る将でもないファン層を何と呼べばよいのかを考えた

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指す将でも観る将でもないファン層「見守る将」

世の中の将棋ファンを分類すると……「指す将棋ファン」と「観る将棋ファン」に二分され、それぞれを「指す将」「観る将」などと呼んだりもするが、明らかに存在するにも関わらず、適切な呼び方がないファン層がいる。

つまりは、将棋にはまった息子や娘の将棋を見守るファンたちだ。「子育て将」とでも呼ぶのが良いのか、それとも「見守る将」とでも呼ぶのがよいのか。

twitterなどを眺めていても、ある一定数は、この子供の将棋を「見守る将」の人たちがいる。実は、私もそのひとりだ。

「見守る将」を知るための資料的なマンガ

この見守る将棋ファンたちの行動様式というか、あるあるネタが詰まったマンガが『ひらけ駒!』だ。作者の南Q太は、自分の息子が将棋にはまったことをきっかけに『ひらけ駒!』を執筆することになり、見守る将棋ファンからの絶大な支持を得ている。

  • 歳下の子に負けた子供に、思わず苦言を言ってしまう
  • 将棋を指している子供の気が散らないように遠く離れて見守る
  • 何がしてあげられるのかを悩んで、見守るしかないことに気がつく

等など……共感しかないが、これが表現できるということは、南Q太さんも同じようなことで悩んだんだろうな……と改めて思う。

子供の将棋の結果や取り組み方に、ついつい、口を出してしまうのは、「見守る将棋ファン」にとっては、”あるある”で、見守っているだけじゃ済まなくなってしまうところも含めて、自戒も込めて「見守る将」と名づけてみた。

ひらけ駒!』には、主人公の菊池宝くんだけではなく、様々な年齢の様々な子供たちが登場するので、子供の棋力に拠ることなく、共感できるポイントはあるはずだし、子供の将棋を見守る将棋ファンには、間違いなくお薦めできるマンガである。

『ひらけ駒!』の続刊は出るのか?

休載になった理由は、あちらこちらで噂されているが、その中には、かなりセンシティブなものも含まれており、あまり邪推するのも悪いかな、という感じもするのだけれど、南Q太さんは『ひらけ駒!』を描くにあたり、LPSAや故・天野 貴元さんの助力を得ていたともされるので、そのあたりの事情もあるのかもしれない。

確かに、女流棋士編のリアルはLPSA所属の女流棋士の方々への取材に裏打ちされたものであろうし、主人公の母がアマ団体戦に出場するくだりで出てくる水野チルドレン(水野教室の生徒)の話は、天野さんの天野チルドレンを髣髴とさせるものがある。

休載になってから数年が経った今でも、再開を望む声が聞かれる名作だ。

だが、第8巻に続くストーリーを描くとすると、どうあっても、奨励会が舞台になりそうだし、そうすると、親と子の交流が主たるテーマだった『ひらけ駒!』が扱うには、少しばかり重い話になってしまわないか。

休載直前の第80話では、主人公の宝少年は研修会のD1かC2くらいの実力になっている様子なので、この後の奨励会受験やら何やらは、リアルを下地に描くには、あまりに生々しすぎる。

「見守る将」な皆さんにお薦めの書籍

将棋に夢中になる子供のために、何かをしてあげたくなったとしたら、以下のような書籍がお薦めだ。将棋を知らなくとも読める将棋上達法の本だ。

初段になるための将棋勉強法』には、効率的な将棋の勉強法が載っており、これを実践するだけで、子供を初段にすることは可能だと思う。将棋を指す子の親として、知っておくべき基礎知識だと思う。

更に、子供がプロになりたい等と言い出した時には、プロ棋士の半生記が書かれた書籍などを読むと、彼らが小学生の頃、どう過ごしていたのかが分かり、何らかの参考になるかもしれない。

阿久津主税先生の『将棋のチカラ』や深浦康市先生の『プロへの道』は面白かったし、サンプルケースとして為になるかもしれない。他にも『名人を夢みて―森内俊之小伝』とか『新手への挑戦―佐藤康光小伝』なども読み応えがある。プロの先生の半生記は、意外といろいろ出版されているのだ。

他にお薦めの書籍があれば……コメント欄にて教えていただきたい。