現代にも通じる手法を駆使していた『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

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グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

評価:4.0 (★★★★☆)

  • 1960年代にユニークなマーケティングをしていたバンドの事例
  • 現代でも通用する取り組みが多く、読んでいてワクワク感がある
  • 装丁が凝っていて、是非、紙の本で読むことをおススメしたい

本書の概要

グレイトフル・デッドは、1965年にカリフォルニア州パロアルトで結成されたアメリカのロックバンドで、多彩なユニークな音楽スタイルで知られている。熱狂的な「デッドヘッズ」と呼ばれるファンに支えられたこのバンドは、1994年にロックの殿堂入りしたロック史に残るバンドとなった。

さて。そんなグレイトフル・デッドだが、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』によると、結成当初から現代に通用するようなマーケティング手法を駆使していたとのことで、このグレイトフル・デッドの取り組みとそれに類似したビジネスの事例を交互に紹介する……というのが、本書の構成だ。

装丁が凄く凝っているので、Kindle版よりも、紙の本がお薦めかも。ちなみに、日本語版の監修は、糸井重里さん。

グレイトフル・デッドの特異性

このグレイトフル・デッドはヒットチャートとは無縁だったものの、コンサート収入については、全米でもトップを争う収益をあげていたとのことで、これは当時としては、異質なことだったそうだ。

当時のロックバンドのビジネスモデルは、収入源のアルバムの販売促進のためにライブをする……という考え方であり、この真逆をいく「アルバムよりもライブに全力を注ぐ」というビジネスモデルが彼らの成功の素となったとこの本は語る。

演奏する楽曲が、ほとんど即興演奏だったことから、熱心なファンたちは、毎晩でもライブに通いたい……という気持ちを掻き立てられたようだ。

グレイトフル・デッドのマーケティング手法の一例

そんなグレイトフル・デッドのファン獲得のための取り組みの一例を紹介すると、彼らは、その初期の頃からファンのコミュニティづくりに熱心に取り組み、例えば、ファン向けの会報に、最新のニュースをいち早く載せて、ファンの優越感をくすぐり、ファンとの結束を強いものにしていく……というようなことも実践していた。

この辺りは、現代のコミュニティつくりにも通じるものがあると思う。

更に、グレイトフル・デッドは、観客によるライブの録音と撮影、そして共有を許可したそうで、彼らの音源が口コミで広がった結果、ファン層の拡大に繋がったとのことで、この辺りは、2000年代に入ってから持て囃されたフリーミアム戦略のはしりとも言えそうだ。

そんなマーケティング手法を1965年に結成されたこのロックバンドが実行していたことが、なによりもまず驚きだ。

まとめ

グレイトフル・デッドの型破りな取り組みにワクワクするうちに、いつの間にか、さまざまなマーケティング手法に触れることができる……というのが、本書の一番のお薦めポイントである。