今回は「実行(行動)」ステップだ。GTDに取り組んで、せっかく頭の中のことがリスト化されたとしても、それを実際に行動に移さなければ意味が無い。
このステップが肝だと個人的には思っている。
なお、ワークフローの5つのステップの概観は別記事にしているので、こちらを参照して欲しい。

「実行(行動)」ステップとは?
物理的なリソースやその時の状況を考慮し、どのような行動を起こすかについて、確信を持って、選択する必要がある。
この段階においては、次に取るべき行動が具体的で明確になっていることが重要だ。これができているとスムーズに「実行(行動)」ができる。
次に何に着手するかの優先順位については、以下の3つの観点で判断すると、正しく選択できる。すなわち、「戦略的要因」「制約要因」「行動の種類」だ。
戦略的要因
高度マップの概念と照らすと、分かりやすい。
- ある「目的/価値観」に含まれている長期的に達成すべき「ビジョン」は何か?
- その「ビジョン」を達成するために必要な「ゴール」は何か?
- その「ゴール」を達成するためには、どんな「分野」に注意を向けるべきか?
- そのための「プロジェクト」は何か?
上記のように、トップダウンで把握することもできるし、その逆にボトムアップのアプローチを採っても、それはそれで発見があるはずだ。
将来への見通しを定めて、横道に逸れずに、効果的に行動していくために、「戦略的要因」を考慮することは、有効なアプローチだ。
制約要因
その時の制約は意識しておくべきだ。行動を起こすことを妨げる要因がある時に、無理に行動を起こす必要は無い。
状況
「整理」ステップにて、コンテキスト別にリストをまとめることを推奨していたが、例えば、「パソコン」が手元になければ、「パソコン」を使った行動は起こせないのだから、「状況」は制約要因になり得る。
使える時間
10分しか時間がない時に2時間かかるタスクに取りかかっても、集中できないだけではなく、結局、そのタスクは、仕掛中のまま、リストに残ることになる。
費やせる時間に合わせて、タスクを選択することが重要である為、「整理」ステップでは、行動リストには、おおよその所要時間を記入しておくと良いかもしれない。
使えるエネルギー
これが意外と忘れがちな要素だと思うが、どのタスクに取り組むのかを決める際には、その時の気力や体力も考慮に入れる必要がある。
例えば、風を引いて、体調が悪いときに、新規事業の企画立案のようなエネルギーを要するタスクをやることはなく、メールの処理などの細かい作業に没頭した方が、結果として、時間を有効に使えた……ということになるだろう。
全体の目次
記事全体の概観については、「GTD再入門」として、目次をまとめているので、そちらをご確認いただきたい。

以下は、参考書籍となる。
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